2010.07.02〜04
小江戸・川越で"日本"学ぶ
ベトナムの日本語学校生がホームステイ

ホームステイ先の家でベトナム料理を作るニャさん(中央)・フォンさん(右)
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出来上がったベトナムの家庭料理「ゴイ・クォン」(生春巻)=大塚新町で
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ベトナムの日本語学校生6人(13〜20歳)が2日から4日まで市内の家庭にホームステイし、日本の文化・政治・経済などを学びながら国際交流しました。
これは、特定非営利活動法人の「日本ベトナム平和友好連絡会議(JVPF)」(会長:村山富市元首相)が主催。2007(平成19)年9月にホーチミン市に設立した「村山記念JVPF日本語学校」で日本語を学ぶ生徒らを対象に、日本で体験学習してもらおうと毎年行っているもので、ホームステイは昨年に続き今年が2回目。
当初、7月中旬の来日予定だったものが6月28日に急きょ変更されたため、ホームステイ受け入れ家庭の手はずが白紙に。この事態に、川越のNPO団体「日本ベトナム福祉と平和のサポートステーション」の平松伴子さんらが協力。JVPFの会員でもある平松さんが友人らに相談し、4家族がボランティアで受け入れることを快諾してくれたことで、来日する生徒6人(男女各3人)全員が川越に滞在することに。
川合善明市長(右)を表敬訪問し、1人ずつ自己紹介するベトナム生ら=元町の川越市役所市長室で |

川越市役所を訪れるベトナム生ら |

ベトナム生らと話す川合善明市長 |
川合善明市長(中央左)と記念撮影するマイン・クァン・トゥン副校長(中央右)やベトナムの日本語学校生、ホームステイ先の家族ら |
昨年もベトナム生を預かった平松さんらですが、1泊だったこともあり市内見学する程度しか時間がなく、「もっと日本の政治・経済や歴史・文化・生活にふれてほしかった。残念だった」といいます。
これに対し、今回は川越市が全面的に協力。2日午前10時には、マイン・クァン・トゥン副校長やベトナム生らが川合善明市長を表敬訪問。
「4年前に自分もホーチミン市を訪ね、ベトナムには親近感がある」という川合市長は、一人ひとりと言葉を交わしながら「小江戸」と呼ばれる川越の歴史や特徴などについて分かりやすく説明。「市長の仕事で大変なことは?」の質問には「限りあるお金を、どうやっていろんなことに使っていくかに一番頭を悩ませます」などと答えていました。
横田隆・行政改革推進課長(右)の説明に聞き入るベトナム生ら |
職員らに交じり、市役所の地下食堂で昼食。巻き寿司居る野弁当で日本食を体験 |

川越市訪問の証明書や六歌仙の絵皿などの記念品が
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続いて、10時半から政策財政部行政改革推進課の職員らが「地方都市の行政機構」について教育委員会室で"講義"。
横田隆課長らが特製のスライドを使い、通訳を交えながら「日本の地方自治」「市長と市議会」「市の仕事」「教育・福祉・文化」「都市基盤整備」「財政・税金の仕組み」などについて2時間近く説明しました。
ベトナム生らは時折メモを取りながら熱心に聞き入り、盛んに質問。「川越まつりは、もともと神社の祭りが市の祭りになったもの」の説明には「神社って何ですか?」の素朴な質問が。仏教国であるベトナムには寺院しかないため、神社の概念がないためですが、これには行政に関する質問にてきぱきと答えていた横田課長も一瞬言葉に詰まり、紙に鳥居の絵を描くなどして「日本には神道や仏教・キリスト教などさまざまな宗教があり、神様を祀っているのが神社です」などと丁寧に説明していました。
横田課長は「皆さんが大人になったとき、きょう学んだことをぜひ役立ててください」と話していました。
川越まつり会館の職員から山車の説明を聞くベトナム生ら |
仏教国のベトナム生らは日本の神道に興味津々 |

小江戸の文化にふれ大満足 |
午後からは、川越まつり会館や市立図書館、市立博物館、市立美術館などを見学。それぞれ館長や職員らから詳しい説明を受け、日本の文化などにふれていました。
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今回、ベトナム生らの体験学習に全面協力した川越市ですが、観光をはじめとした産業・文化交流の推進は市の課題になっており、川越をいかに分かりやすく説明し理解してもらうかを勉強する"良い経験"になった、とも言えます。
菓子屋横丁を訪れ、久保田一郎さん(右)・淳さん(右から2人目)らによる飴(あめ)作りを見学するベトナム生ら=元町の玉力製菓で |

この日作られたのは、どこを切ってもアサガオ模様の金太郎飴 |
3日は菓子屋横丁や一番街、時の鐘、喜多院などを見学。
菓子屋横丁では老舗の玉力製菓を訪ね、久保田一郎さん・淳さん親子による飴(あめ)づくりの伝統技にびっくり。棒状の飴がどこを切っても同じ絵柄になる金太郎飴に驚いていました。
ベトナム生らは川越に滞在の3日間、一般家庭にホームステイ。家族らと交流しながら食文化や生活習慣を体験しました。
大塚新町の平松さん宅に宿泊した女子中学生・ファム・グエン・タイン・ニャさん(13)らは、「お礼の気持ちを込めてベトナムの家庭料理を食べてほしい」とキッチンに立ち、「ゴイ・クォン」(生春巻)を作りました。ニャさんらは市内のスーパーで買い物を体験しながらエビや野菜、コメの麺「フォー」などの食材を調達。平松さんに春巻づくりの"手本"を披露しながら一緒に作り上げていました。
「将来はエンジニアになりたい」というニャさんは「日本のお風呂桶は、ベトナムと違って狭いのに深い。気持ち良かった」などと話していました。
仲良しになった愛華ちゃん・有華ちゃん(右)らと別れを惜しむビンさん(左)やベトナム生ら=脇田町のアトレで |
今成の山崎さん宅に泊まったのは、男子大学生・ヴ・クァン・ハイ・ビンさん(20)。
来日当初は緊張してあまり話さず周囲も心配したといいますが、ホームステイですっかり打ち解け、山崎さんの孫娘・愛華ちゃん(5)と有華ちゃん(7)と大の仲良しに。
「将来はITの会社を興して社長になりたい。日本の人たちはとても親切。一緒に食べた鰻丼が忘れられません」と笑顔で話していました。
今回来日したのは中学生から大学生までと幅広いグループでしたが、いずれも日本語を学びたいと積極的に勉強する若者たち。「イベントの会社を興して展覧会などを開きたい」「日本の大学で学んで、将来は国際交流の仕事がしたい」など、皆が将来の具体的な夢やしっかりとした目標を持っていました。あすのベトナムを担う若者らが今回、川越滞在で得た知識や経験などが将来、国同士の理解や交流に結び付くものと期待されます。 |