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同級生や市に約2億円の支払い命令
 市内男子中学生傷害事件でさいたま地裁
   2016年12月22
小ノ澤哲也議長
小ノ澤哲也議長
中学生傷害事件の判決を報告
 22日午後1時から開かれた市議会第6回定例会(小ノ澤哲也議長)の最終日で、新保正俊教育長が2012(平成24)年1月に起こった市内男子中学生の傷害事件の判決について市政報告。
 加害者の同級生3人と保護者・川越市が連帯し、損害賠償1億6,178万3,719円と遅延損害金4,020万2,146円(※)の計2億198万5,865円を原告らに支払う命令が下されたことを報告しました。

(※)遅延損害金は本紙が計算。

日付
時刻
公表された事件の主な経過
1月5日
13:15
加害者3人と被害者が野球部の練習後に下校。小中居公園で被害者を暴行
13:55
被害者が胸などを強打されて心肺停止に。加害者の1人が学校に教諭を呼びに行く
14:10
教諭が心臓マッサージを続ける中、救急車が到着し警察に連絡
14:20
警察から市教委に事件の連絡が入る
14:30
警察が加害者3人を連れ現場検証、教諭や目撃者から事情聴取
21:00
被害者は蘇生するも、意識は不明。自力呼吸は20%で80%を生命維持装置に依存する極めて危険な状態に
1月6日
市教委が臨時校長会を招集。暴力事件として状況を説明し、再発防止を指示
1月9日
学校が臨時保護者会を開き、283人に説明
1月10日
始業式の全校集会で、校長が生徒に命の大切さなど話す
1月11日
被害者の保護者からの要請で2年生を対象にしたアンケート調査を実施
2月中旬
加害者3人に審判、少年院に送致
2月29日
アンケートを集計
3月26日
市教委でアンケート集計を確認し、いじめがあったと認識。川合善明市長にも報告。
4月14日
アンケートのまとめを被害者の母親に渡し、いじめがあったことを報告
9月13日
  一部報道でいじめ事件が発覚、報道各社の要請に応えて緊急の記者会見。
被害者は自力呼吸が可能だが意識不明の状態が続いている
いじめ放置が事件の原因と訴え
 事件は、約5年前の2012年1月5日に発生。当時中学2年だった男子生徒が下校後に同級生から公園で暴行を受け重体に。男子生徒(現在は19歳)は今も意識不明の状態が続いており、寝たきりで生命維持装置の助けを受けて自宅で療養しています。
 裁判は、被害者と家族が介護費用など約3億9,000万円の損害賠償を求めて訴えたもの。
 加害者の同級生3人は傷害容疑で逮捕され少年院に送致されましたが、「教師らが暴行を受けた男子生徒に対する暴力を以前から認識していながら、一時的な注意や指導だけで事態を放置したため本件暴力事件が発生し、市には安全配慮義務を怠った過失がある」として、市の責任も追及していました。

1億6000万円と遅延損害命じる
 この日午後2時すぎ、「平成24年(ワ)第1071業損害賠償請求事件」(野口忠彦裁判長)関し、さいたま地裁川越支部が命じた判決は次のとおり。
 1.被告らは、原告男子生徒に対し、連帯して1億4,653万444円及びこれに対する平成24年1月5日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 2.被告らは、原告母親に対し、連帯して220万円及びこれに対する平成24年1月5日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3.被告らは、参加人(注)に対し、連帯して1,305万3,275円及びこれに対する平成25年8月2日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 (本紙注) 参加人とは、原告とは別に訴訟に参加した健康保険組合。健保の対象でない原告の治療費を医療機関に支払った分1,305万30275円と遅延損害金を市に請求したもの。 

男子中学生傷害事件の判決について市政報告がされた12月議会の本会議場(イラスト)
男子中学生傷害事件の判決について市政報告がされた12月議会の本会議場(イラスト)
控訴するか1月5日までに判断
 判決は、下校後に起こった事件であっても、原因とされるいじめを放置した学校や市に責任を求めたもので、全国でも例のない内容。今後、同様の事件に対しても判例として参照されることになります。
 市では「いじめと認識していなかった」としており、この日言い渡された判決について「今後の対応は判決文の内容を精査したうえで検討する」としていますが、控訴手続きの締め切りは1月5日。判決を受け入れるにせよ控訴するにせよ、それまでに決断して臨時議会を招集なければなりません。

 
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