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ノーベル賞・梶田隆章氏が母校で講演
 川越市が市民栄誉賞贈る
        2016年05月22
母校を訪れ、高校生時代の思い出やニュートリノなどについて話す梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で
母校を訪れ、高校生時代の思い出やニュートリノなどについて話す梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で

川高時代の思い出や研究など語る
 ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏(57)が22日、母校の県立川越高校(青木勇藤校長)を訪れて講演。
 OBや同窓生らに、高校時代の思い出や受賞対象となったニュートリノの質量研究についてなど話しました。

ノーベル物理学賞受賞記念碑の除幕式で挨拶する梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で
ノーベル物理学賞受賞記念碑の除幕式で挨拶する梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で
除幕式では大勢の同窓生やOBらが梶田氏を取り囲んで受賞を祝福
除幕式では大勢の同窓生やOBらが梶田氏を取り囲んで受賞を祝福
川高・埼大・東大大学院経てノーベル賞
 梶田氏は1959(昭和34)年に東松山市に生まれ、1974(昭和49)年から1977(同52)年まで県立川越高校に在学、勉学の傍ら弓道部に在籍。
 埼玉大学理学部物理学科、東京大学大学院理学系研究科を経て同校教授に。東大理学部付属素粒子物理国際研究センターでニュートリノを研究。昨年、新たな物理法則の構築に迫る大きな成果を挙げたとして、ノーベル物理学賞を受賞しました。

受賞記念碑除幕式で「後輩らに期待」
 この日午前10時45分から、同校同窓会(田中正会長)が校内に設置した黒緑石のノーベル物理学賞受賞記念碑の除幕式があり、梶田氏や田中会長、川合善明市長、青木校長、生徒会長らが一斉に幕を引いて受賞を祝いました。
 記念碑には梶田氏の座右の銘「自然を不思議と思う心」が直筆で刻印。
 梶田氏は謝辞で「ここに記念碑を建てていただいたことで、次世代を担う本校の生徒に科学や学問に興味を持ってもらい、国の科学技術を牽引していくような人が1人でも多く出てもらえればうれしい」などと話しました。

「基礎科学の研究に理解と支援を」
 午前10時半から同校講堂で始まった講演会「ニュートリノ 小さな質量の発見」では、OBや同窓生ら約700人が聴講。
 梶田さんは、同校で学んでいた高校時代や大学時代・カミオカンデの研究に参加した大学院時代・現在のスーパーカミオカンデの研究についてなど約1時間にわたり講演。基礎化学の研究に、理解と支援を求めました。

「古文・漢文が苦手で理科系に進学」
 高校時代の思い出については、「当時の弓道部は袴(はかま)がなく、白のジャージだった。古文・漢文と化学が苦手だったが、大学進学では興味があった理系を選んだ」「大学でも弓を続け、3年で副主将になったが、大学院に進みたかったので主将は固辞した。これは非常に大きい決断だった」などと紹介。
 大学院で小柴研究室に参加させてもらったことで、今の私がある」などと話しました。

川合善明市長から川越市の市民栄誉賞を贈られる梶田隆章氏(右)=元町の川越市役所で
川合善明市長から川越市の市民栄誉賞を贈られる梶田隆章氏(右)=元町の川越市役所で
市民栄誉賞として贈られたメダル(左)と表彰状 市民栄誉賞として贈られたメダル(左)と表彰状
市民栄誉賞として贈られたメダル(左)と表彰状
「ヘルメットと長靴で坑道を通った」
 ニュートリノの研究については、素粒子の基本から質量確認までの苦労などについて、プロジェクターなどを使いながら分かりやすく説明。
 「装置が完成するまで、ヘルメットと長靴でトロッコに乗り、何カ月も坑道を行き来する毎日だった」などと明かしました。

「博士課程では妻に食べさせてもらった」
 質問の時間では、「博士課程のときは、どのように生活していたのか?」の質問に「学生の時は奨学金をもらい、3年生で結婚してからは(妻に)食べさせてもらっていました」などと気さくに答えるなど、気取らない人柄を見せていました。
 講演後、梶田氏は本紙取材に「皆さんが本当に一生懸命聞いてくださっているのが感じられてうれしかったです」などと話していました。

功績たたえ、川越市が市民栄誉賞贈る
 講演会後、午前0時15分から元町の川越市役所で市民栄誉賞の授与式があり、両副市長や教育長・代表監査委員・上下水道事業管理者、市議会副議長や各会派の代表・常任委員会委員長・特別委委員長らが出席する中、川合市長から梶田氏に市民栄誉賞の賞状とメダルが贈られました。
 これは同氏の輝かしい功績と、母校の川越高校でSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の運営指導委員として直接指導・助言を通し、市の子どもたちの指導・育成に多大な貢献をしているとして贈られたもの。同賞の授与は、梶田氏で5人目となります。

懇親会で旧友や先輩・後輩らが祝福
 続いて午後1時から、同校OBでもある川合市長と梶田さんは宮下町の氷川会館で行われた懇親会に出席。約250人の同窓生に祝福を受けながら、旧友や先輩・後輩らと親交を温めていました
(写真は元町の川越市役所で)
講堂に集まった約700人のOBや同窓生に向けた講演会で、演台に向かう梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で
講堂に集まった約700人のOBや同窓生に向けた講演会で、演台に向かう梶田隆章氏=郭町の県立川越高校で
 
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