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ベジフルは解散で最後の初市に
 川越総合卸売市場
        2016年01月05
年度内に解散を決め、川越ベジフルとしては今年が最後となる初市で万歳三唱する青果市場関係者
年度内の解散を決め、川越ベジフルとしては今年が最後となる初市で万歳三唱する青果市場関係者

暖冬の影響などにより市場で値崩れが起こっている白菜を競る青果市場の仲卸業者ら
暖冬の影響などにより市場で値崩れが起こっている白菜を競る青果市場の仲卸業者ら
青果のベジフルが年度内に解散
 埼玉県の南西部9市町に生鮮食品を提供している、第三セクターの川越総合卸売市場(高橋重実社長)。
 平成6年の創業以来、約22年にわたって市場の両翼を担ってきたのは水産・魚介類の川越水産市場(株)(石原隆之社長)と、野菜・青果の川越ベジフル(株)(遠藤巧佐社長)。
 そのうちの川越ベジフルが今年度末で解散することを決め、同社にとっては5日が最後の初市となりました。
 同市場では、施設使用料(借地料)の問題などから仲卸業者の間でも店舗閉鎖が年々広がるなど、その将来が懸念される状況となっています。
(注)川越総合卸売市場では開設に際し、施設使用料の支払いの一部を非公式に先延ばしする密約束で出店業者を誘致。16年間に及び積み重なる欠損を帳簿外の未収金として不正処理していたが、2010年に発覚。市議会9月定例会を皮切りに真相追及が始まった、いわゆる「簿外未収金問題」が起こりました。

暖冬で未明も4月上旬の暖かさ
 この日、全国から続々と初荷が届く午前2時〜4時ごろの気温は6.6℃前後で、熊谷地方気象台によると4月上旬並みの暖かさ。
 マイナス2.4℃と冷え込んだ昨年とは打って変わり、集荷の合間にストーブを囲んで暖を取っている人もまばらでした。

「大根・白菜・キャベツは半値以下」
 野菜・青果市場では、暖冬の影響もあって今年の入荷量は潤沢。
年頭挨拶する川越ベジフルの遠藤巧佐社長
年頭挨拶する川越ベジフルの遠藤巧佐社長
 遠藤社長らによると、「順調な生育により価格も安値安定で、特に大根・白菜・キャベツは鍋の需要が減って消費が伸びないこともあり、例年と比べ半値以下」「青果ではミカンは不作により入荷量が半分で、価格は1.5〜2倍高い」といいます。

「景気回復?青果業界は一進一退」
 午前7時から始まった新年祝賀会では、川越ベジフルの遠藤社長が「政府は景気が上向いていると言っているが、青果業界は一進一退を続けているというのが現状。申年は暴れる年と言われており、年頭株価も平成8年以来の安値となるなど、何が起こるか分からない」「弊社は3月31日をもって23年の歴史を閉じるが、最後の3カ月間は何としても有終の美を飾りたい」などと挨拶しました。
 続いて、集まった仲卸業者ら市場関係者全員で手拍子と万歳で市場の活性化を祈願しました。

4月からは関連会社が事業を継続
 川越ベジフルの遠藤社長は「昨年10月の臨時株主総会で、今年度いっぱいの精算を決めた」などと話していました。
 青果市場は、4月からは同社の関連会社にあたる東京新宿ベジフル(株)(忽那文夫社長)が川越支店として事業を引き継ぐことが決まっており、社長以外の社員らは引き続き勤めることになっています。

午前2時すぎから続々と届く水産・魚介類の初荷を仕分ける仲卸業者ら
午前2時すぎから続々と届く水産・魚介類の初荷を仕分ける仲卸業者ら

ホタテ・ウニ・タラバは1.5〜2倍
 水産・魚介類の市場では、午前2時ごろから続々と初荷が入荷。
 同市場で競りが行われるのはマグロだけで、そのほかはその場で仲卸業者と値決めをする「相対(あいたい)」で取り引きされています。 
 仲卸組合の武伸光・前会長によると、昨年は台風並みの"爆弾低気圧"が何度も北の海を襲ったことから、網が破れるなどしてサケの漁獲量が激減。スジコやイクラなども含めて入荷が例年より2割前後少なく、価格も2割ほど高値。また、ホタテやウニ・タラバガニなどは中国などが直接北海道に買い付けに来て買い占めている影響で、1.5〜2倍前後にも高騰しているといいます。

年頭挨拶する川越水産石原隆之社長
年頭挨拶する川越水産石原隆之社長
年頭挨拶する仲卸組合の渡崎好則会長
年頭挨拶する仲卸組合の渡崎好則会長
「今年は仲卸業者が減らないように」
 午前5時から始まった新年祝賀会では、川越水産の石原社長が「これから状況は刻々と変わっていくので、終わった去年のことは忘れて心機一転新しい頭で、自分で答えを出すように頑張っていただきたい」などと挨拶。
 仲卸組合の渡崎好則会長は「今年は(仲卸業者が)一軒も少なくならないよう、皆さんと手を取り合って1年を乗り切っていきたいと切に思う」などと挨拶。
 集まった市場職員や仲卸業者ら全員が「エイエイ、オー」の掛け声とともに拳を振り上げ、市場の活性化を祈りました。

初荷のマグロを目利きする仲卸業者ら
初荷のマグロを目利きする仲卸業者ら
場内には土屋課長の競り声が響く
場内には土屋課長の競り声が響く
マグロ29本入荷
最高値は2700円
 5時20分すぎから始まったマグロの初競りでは、土屋和彦課長の威勢良い掛け声でミナミマグロ2本(前年比2本増)・メバチマグロ27本(同11本増)が次々と競り落とされていきました。
 この日、最も高値で競り落とされたのは赤道付近南の太平洋で捕れたミナミマグロで、キロ2,700円(同1,300円増)でした。


「梱包材や輸送コストは10%に」
 今回取材した市場関係者からは「私たちは、気温や悪天候などの気象条件や消費者ニーズの変化などに左右され、安定した経営が難しい」「次の消費増税で食品関係が8%に据え置かれても、ガソリンや運賃などの輸送コストや梱包材などは10%の税が掛かる。その負担も経営にのし掛かってくる」などの声が複数聞かれました。
(写真は大袋の川越総合卸売市場で)
「エイエイオー」の掛け声で市場の活性化を祈願する水産市場の関係者ら
「エイエイオー」の掛け声で市場の活性化を祈願する水産市場の関係者ら

 
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